----- - - - -  -
::: 十字路の悪魔 :::
----- - - - -  -

くだらない日々 覚悟を生きるには おびえるこの感情を仕切るには
もう生まれたての子どもに近い無防備な夜更けの満ちる庭
草むらの端で猫があざ笑う 今夜もまたスピーカーに語らう
逆らうかのごとく忍び寄る巨大な影に見やると奴が来るんだ
男は箱の中身を飲み干した 世界のうねりすらも追い越した
泥水がはねてズボンの裾へと跳ね返る 仮面のような割れ細工
くゆらした煙が宙に描いた軌跡は 何者をも飲み込んで
僕はその先を掴んでみたくて 灰色の輪の中に飛び込んでく

命と引き換え才能を手に入れたロブ・ジョンソンを称えたいと思う
しがない農家の生まれだった彼の心の中身はどうだったろうか
生涯 残した何十曲と わずか2枚という写真から
野心家か ただの物好きかなど 素顔を知ることはすでに叶わない

暗がりに1つ追いすがる悪魔
知らぬ間に馴れ合う この人格は
束縛された空気ほどタフだ
抑圧された十字路の悪魔

満ち足りた日々を緩やかに過ごすのは かの男には決して入らない
暗闇をやり過ごすだけのあり方に平等に降り行く夜更けの庭
道の片隅で猫がほくそ笑む 今夜もまたスピーカーに曲を得る
くすんだ中に這い寄るかのごとき影を見やると 奴が来るんだ
男は箱の中身を飲み干した 世界のうねりすらも追い越した
泥水がはねてズボンの裾へと跳ね返る 仮面のような割れ細工
吸い込む煙にむせ返り 響き渡るその音へと飲み込まれ
僕がその先を掴んでみるから 名を連ねゆく1人となれ

魂を渡しても追い求めたファウストと僕も同じことをするだろう
彼が何を思い何に苦悩し 今ならば解る気がするんだ
多くの作家たちが魅了された 物語をもってしてひも解かれた
全てを知るにはどうすればいい
「私こそが、全能なる人となれば…!!」
全てが1人の世界ではないが 自分の欲こそが満たされるのならば
人生1つで手にするのだから 僕らには 素晴らしいことではないか
これを努力の放棄であるととるのか 時間が才能の責めを負うのか
たしかに悪魔は僕らのすぐ後ろをそそのかすように歩いているんだ

暗がりに1つ追いすがる悪魔
知らぬ間に馴れ合う この人格は
束縛された空気ほどタフだ
抑圧された十字路の悪魔

かつて僕も出会ったことがある 奴はバッハの格好をしてやがる
立ち尽くし食パンをふくみながら ねめあげるようにこちらを見やる
それだけだ 何の会話すらもない 夜道で声をあげて笑った
探していたものがすぐ目の前にある RJよ なんて美しいんだ

夜の中 黒い風がささやく
漏らしたつぶやき声ははかなく
暗がりに1つ追いすがる悪魔
抑圧された十字路の悪魔

暗がりに1つ追いすがる悪魔
知らぬ間に馴れ合う この人格は
束縛された空気ほどタフだ
抑圧された十字路の悪魔

----- - - - -  -

[ close ]

(c)2011-2013 urban forest